リレー随想

2018/01/29
No.178 2018年2月号   2010年卒 神戸武将
「正月から涙」

 思いの丈を口に出すことができずに、言葉につまる。目には涙を滲ませながら、「選手たちを褒めたい」とマイクで音を拾えないほどの声で、優勝監督インタビューに応じた。歴戦の猛将、高校サッカーを代表する指導者・山田耕介監督の「意外」な姿を新年早々に拝謁することができた。

 2018年1月8日、悪しき天気予報だったにも関わらず多くのOBが母校の晴れ姿を見るために埼玉スタジアムへと足を運んだ。
全く同じことを昨年もしているため、慣れたものである。しかし、前年は青森山田高校に0−5の大敗を喫し、「勝負弱い前橋育英」という揶揄が正しく思えた、最悪の年明けだったように記憶している。それでもあのようにそれぞれが違う人生を選択し、ばらばらの地で奮闘する同期、先輩、後輩たちがこうして正月に集まれるのも、現役高校生が「全国高校サッカー選手権」を勝ち上がってくれるからだと、感謝した。仲間の存在はかけがえのないもので、つらくも美しい青春を共に過ごした盟友たちと高笑いして近況を報告し合うことが何よりの楽しみであり、人生のスパイスになる。

 破竹の勢いで全国の強豪を勝ち破った今年の前橋育英高校サッカー部は、OBの私から見ても負ける気配が全くなかった。統率されたディフェンスライン、アイディア豊富な攻撃陣、息の合ったパスワーク、前線からのプレッシングとハードワーク、セカンドボールを拾うための攻守の切り替え。山田監督含む前橋育英サッカー部指導者の教えがこんなにも高い水準で表現できていたことに驚いた。
昨年とは違い、最高の年明けとなった今年は、会社や営業先で「おめでとう」というお祝いの言葉をたくさん頂戴した。OBというだけで、自分自身が何かを成し遂げたわけではないのに、自分のことのようでうれしかった。

 思い返せば、小学生の頃にサッカーを始めて以来、行きたい高校は「前橋育英」と最初から決めていたように記憶している。伝統の黄黒のユニフォームに袖を通して、Jリーガーへとステップアップすることが小学生の頃からの夢だった。サッカーが好きでたまらずに毎日ボールを蹴っていたあの日々が懐かしい。
前橋育英サッカー部に入部するも全国から集められた猛者たちの中では「違い」を持った選手になることはできずに、Cチーム、Bチームで過ごした時間が長かったことは今でも苦い思い出。無理を言って、私立に通わせてもらっている親に、高校時代は笑顔で会えなかった。少しでもうまくなりたい、山田監督に認められたい、試合に出たいと、全体練習後の自主練習をしたあの日、あの時が、今も私の礎であるように思う。山田監督の涙を見て、つい自分の高校時代を重ね合わせてしまい、私も泣いてしまった。この原稿を書きながらも、もう一度泣いている。白と黒で縫ってある丸い球を蹴っ飛ばすことから始まったこの人生は、なかなか悪くない。前橋育英サッカー部に入ってよかった。最高の仲間と磨き合い、最高の指導者から薫陶を受けた。そして、それらを支えて、見守ってくれた親への感謝が溢れる。

 高崎経済大学には推薦で進学できた。すでに「サッカー選手」の夢は諦めていて、将来なんとなく会社員になって企業という監獄で一生飼い殺されるか、先生にでもなって部活動でサッカーを教えてみようか、など簡単に人生を考えていた。「努力」「仲間」の大切さは少年ジャンプと前橋育英サッカー部で十分すぎるほど学んだから、大学では適当に遊んで過ごそうと思った。そんな思いとは裏腹に、大学でもそれはそれで濃密な、前橋育英サッカー部を凌駕するほどの日々があり、今の自分、現在就職している会社へも繋がっていくのだが・・・・・長くなるのでこのへんで。

 次回のランナーは2012年卒業、私の2歳下、仙台出身、高経出身、現在は東京で、獅子奮迅の活躍をしているライフプランナー、木村絵美さんをご紹介いたします。
彼女の話を聞いて「保険」の考え方がぐるり、360度変わりました!
乞うご期待!
(東京都板橋区在住)

※写真 黄色と黒のユニフォーム、帽子着用が筆者

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2017/12/11
No.177 2017年11、12月、2018年1月合併号 2007年卒 秋山貴士
「サッカーのすすめ」

サッカー部の大先輩である松島先輩よりバトン受けまして、177番目のランナーとして寄稿させていただきます秋山貴士と申します。電気設備工事会社の鰍ォんでんで働いております。今やどこへ行ってもその見た目と体型からサッカーをしていたなんて信用してもらえませんが、サッカーを愛し、青春を捧げた者として、今回は勝手ながらサッカーについての寄稿とさせていただきます。ご了承ください。

日本で身近なサッカーといえば、やはり「Jリーグ」でしょうか。1993年に産声をあげたJリーグは2017年で25年目のシーズンとなっており、3つのカテゴリー(J1・J2・J3)で全57チームという非常に多くのチームが参戦しております。都道府県での内訳を見てみますと、チームがない県というのは9つ(青森・福井・三重・滋賀・奈良・和歌山・島根・高知・宮崎)しかなく、その9つの県にもJリーグを目指すチームが存在していることから、全国各地にサッカーが根づいていることが言えるのではないかと思います。

 みなさんはスタジアムでサッカー観戦をしたことがありますか?もちろん好き嫌いもありますし、サッカーは点がなかなか入らないスポーツですから、見ていて退屈だと思う方もいると思います。また、DAZNやスカパーが普及した昨今はレベルの高い海外サッカーしか見ないという人もいるかもしれません。まず一つ言えることはぜひ一度スタジアムに足を運んで、生のサッカーを観戦してみてください。TVとは違った「何か」を感じることができるのではないでしょうか。その「何か」は人それぞれですが、間違いなく臨場感(サポーターの熱い声援、ボールを蹴る音、ゴールが決まった時の歓喜)を感じられるのではないかと思います。おすすめは私の応援しているFC東京の味の素スタジアムと言いたいところですが、やはりサッカー専用スタジアムのほうが魅力的かと思います。関東であれば埼玉スタジアム、NACK5スタジアム、カシマスタジアム、昔ながらの日立柏スタジアム等がおすすめです。高崎経済大学の学生は全国から集まり、卒業後も全国に散らばっていきますが、その地には必ず何らかのチームがあり、スタジアムがあります。Jリーグを目指すチームはプロではないかもしれませんが、チーム、選手が成長していく過程を見られるのも醍醐味の一つかもしれませんね。ぜひチームを調べてみてください。

 そしてもう一つサッカーの魅力として「ジャイアントキリング」が起きやすいということがあります。聞きなれない言葉かもしれませんが、日本語で言えば番狂わせ、下克上といったところでしょうか。(多少の意味の相違はご勘弁を)明らかに実力が劣るチームでも優勝候補のような強豪チームに勝つことが多々あります。特に天皇杯と呼ばれるトーナメント戦では毎年のようにJリーグのチームが大学生や地域リーグのチームに敗れるといったことが起こります。「勝負はやってみるまでわからない」とはスポーツの世界ではよく言われますが、現実的にはやる前から限りなく結果が想像できるスポーツも存在しており、そういう意味ではサッカーには夢があるのではないではないかと思います。

最後になりますが、来年2018年はご存じのとおりロシアW杯が開催されます。日本代表もフランスW杯以降連続出場を続けておりますが、まだまだ他国と比べると力及ばずかと思います。ただし、「なにが起きるかわからない」のがサッカーです。日本代表の躍進を信じ、健闘を祈りましょう!!
そういえば・・・W杯といえば現役の頃に高橋章先生のご支援の下、1号館でドイツW杯のPVを主催し、会場一体となって盛り上がったのを覚えております。今回またそういった企画があるかはわかりませんが、いい経験になるかと思いますので、こういったイベントを活用し、ぜひぜひ大学を盛り上げてください!!
つたない文章、大変失礼しましたが、これにて終了とさせていただきます。

次のランナーはサッカー部の後輩であり、会社の後輩でもある運命共同体の神戸武将さんです。サッカーの名門前橋育英高校を卒業し、体育会でも代表幹事を務めた彼は今日も営業の最前線で奮闘しております。電気設備のご用命は是非きんでんにお願いします!

(東京都板橋区在住)

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