リレー随想

2017/08/24
No.175 2017年9月号 1983年卒 練生川淳志
「育てたように育つ」

サッカー部の後輩の新井和彦さんからバトンを受けまして175番目のランナーとして寄稿させていただきます。
私は、宮城県仙台市の出身です。試験は仙台で受けましたので、高崎に来たのは入学式の3日前でした。まさか群馬県の大学に入ることになろうとは思いもよりませんでしたが、大学卒業後も6年間高崎ビューホテルの営業として勤務させていただき、高崎市民の皆様には大変お世話になりました。大学から社会人と10年間暮らした高崎は、私にとって文字通り第2のふるさとです。特に青春時代という多感な時期を過ごしましたので、高崎での暮らしは大変刺激的でもあり、その後の私の人生に大きな影響を与えました。今でも高崎に参りますと心がときめくのは、自分の青春の心が湧き起こるからなのだと思います。

さて、私は大学卒業後、高崎ビューホテルで営業を6年、その後日本ビューホテル(ビューホテルグループの本部機構)で人事を6年経験した後に、外資系の生命保険会社であるアクサ生命に転職し営業マネージャーを13年間務め、10年前に生命保険代理店として独立しました。現在は主に中小オーナー企業をお客様とする生命保険の提案販売を行っています。

今回は、先般デンマークからの留学生と会話したことをお話しようと思います。デンマークはご承知の通り福祉先進国です。教育費と医療費は基本無償です。その代わり消費税は25%くらい取られます。それだけ取られても国民幸福度ランキングで、ノルウエーに次いで世界第2位(日本は51位)なのにはそれなりの理由がありそうです。

今回は教育費についてお話ししようと思います。彼はコペンハーゲン大学(日本の東大)の3年生でしたが、授業料はもちろん無償とのことでした。その上にデンマーク国から毎月8万3千円の給付型(返済不要)の奨学金を受給しているそうです。もちろん生活は楽ではありませんが、大学の寮で何とか暮らしていけるレベルだそうです。現在は日本に1年間の留学生として来日していますが、交換留学ですので授業料は引き続き無償であり、デンマーク国からの奨学金が継続給付され生活費に当てているとのことでした。日本への留学にあたって本人が負担したのは渡航費の数万円だけだそうです。

彼の話しでは、デンマークでは親は子供の教育費について負担するという考えは全くないそうです。また、子供は高校を卒業してからは生活面においても完全に自立するそうです。大学に行く者はデンマーク国から奨学金を受給しますので生活に困ることはありません。大学に行かず就業する者はもちろんその就業からの所得で生活をすることとなります。

つまり、家が貧乏だから大学に行けないとか、医学部に行けないとかといった理由が成り立たないとのことでした。誰でも努力をすれば医師にも弁護士にも大学の教授にもなれる可能性があるということでした。また、大学に進んだ者は国から給付型の奨学金を受けますので国家に対する感謝の気持ちがとても強いこともわかりました。

日本の教育の現状を考えた時に、今のままでいいのだろうかと思うのは私だけではないと思います。国の将来を担う有為な若者の教育のシステムにこれだけの差があれば自ずと結果も違ってくることでしょう。親が子供のために何でも負担する日本の教育システムは結果としてその子供をダメにしているのかもしれません。
「育てたように子は育つ」 この言葉を今、日本国民全員で考える時期なのかもしれません。
どうぞこれからの日本をよくするために意見交換なさってください。

さて、次のランナーは、私の尊敬するサッカー部の一年先輩である松島賢さんです。大学入学以来家族共々大変お世話になっております。現在は、オフィス家具メーカーのオカムラに勤務なさっています。
東京三扇会の皆様、オフィスの家具のご用命は是非オカムラの松島さんまでお願い致します。








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