リレー随想
2020/02/21
No.199 2020年2、3月合併号 2016年卒 猫宮捺美
「私が見つけたもの」2016年卒の猫宮捺美です。
私は群馬には縁もゆかりも無かったのですが、将来まちづくりに携わりたいと、地域政策学部のある高崎経済大学を選びました。志高く入学したものの、在学中は学業よりも所属していたアカペラサークルの活動に力を入れていました。しかし、これまで何をやってもすぐ飽きてしまうような人間だった私が、こうやって夢中になれるものに出会えたことは私の人生の中で大きなターニングポイントになったと思います。
卒業してからは地元北海道に戻り、在学中に組んだグループを継続しながら、社会人アカペラサークルにも入りました(少し自慢なのですが、昨年は「歌ネタ王」という、音楽とお笑いを融合させたコンテストにも出場し、テレビで見るような芸人さんと同じステージに立ちました)。
なぜ私がこんなにも夢中に今も取り組めているかというと、やはり仲間に恵まれたからだと思います。平日仕事で疲れているのに集まって練習し、終わったら飲みに行くというなかなかクレイジーなこともしています。翌日後悔することも多々ありますがこれが私の生きがいです。
そして年に数回はアカペラで繋がった仲間に会うために群馬に帰ります。帰るという表現が出来るのもとても嬉しいことです。高崎経済大学で、そして大好きなアカペラを通して出来たご縁をこれからも大切にしていこうと、今回随想を書きながら改めて感じました。あの時、高崎経済大学を選んでいなかったら見つからなかったものが沢山あったようです。
次のバトンは、同窓会札幌支部でお世話になっている能登谷さんにお繋ぎいたします。
(北海道在住)
2019/12/20
No.198 2020年1月号 2017年卒 北川 徹
「懐」この記事が掲載される頃は冬真っ盛り。北海道の冬も厳しいですが、群馬の冬もまた厳しいものです。美しい上毛三山から吹き降りる空っ風は、自転車を常用していた私にはとても辛いものでした。
その土地の気候はその土地の人々の性格を左右するのでしょうか。初めて群馬の方と接した際の第一印象は、正直怖かったです。皆声が大きく、口調がきつい気がしました。また、女性が強い。しかし、話してみると皆暖かく、面倒見の良い方々ばかりでした。私は農産物の直売所でアルバイトをしていましたが、農家さんや他の店員さんは、私をとても気遣ってくれました。特にパートさんには、私の群馬における母として、相談に乗ってもらったことも多々あり、精神的な心の支えとなってくれました。
高崎は、古くは宿場町として栄え、人の往来により発展した町です。一見保守的に見える群馬県ですが、外来の文化を受け入れる懐の深さがあると感じました。高崎経済大学も、県外からの入学者が多数を占めるにも関わらず、高崎市は投資を惜しまず、地域の住民にも受け入れてもらっている。短期的な目線では、直接的な利益につながらないようなことでも、長期的に考えれば利益をもたらすということを理解しているのではないかと考えます。それゆえか、現在でも高崎市は経済力を持つとともに、文化度を兼ね備えています。
そんな高崎及び群馬に後ろ髪を引かれつつUターン就職をした私も、気づけば社会人3年目を迎えました。地方公務員として、私立幼稚園の所管部局で勤務しております。教職員の皆さんが幼稚園の運営に不安を抱えることなく教育に専念してもらうことが理想ですが、複雑化する制度と私の力不足により、教職員の皆さんに負担を強いてしまうことが多々あります。
幼児教育における最近のトピックスとして、昨年10月から施行された幼児教育無償化があります。「便乗値上げ」等マイナスな面がクローズアップされている印象を受けます。それについてのコメントは立場上差し控えますが、そもそも幼児教育の無償化とは、幼児教育の重要性を政府が認識し始めたことによるもの(とされています)です。
幼児教育の効果に関する代表的な研究成果として、「ペリー就学前計画」があります。本計画は、1960年代のアメリカ・ミシガン州において、「質の高い幼児教育プログラム」に参加したグループと「参加しなかったグループ」を対象に、その後長期にわたり追跡調査を実施しているものです。質の高い幼児教育プログラムへの参加は、その後の「学校のよい成績」「より高い収入」などにつながっているとの結果が出ています。OECDでも、こうした研究成果を背景に、幼児教育の重要性に関する提言がなされているところです。
教育に対する投資は、すぐに収益が出るわけではありません。特に幼児期の教育にあっては、十数年も先のこととなるでしょう。しかし、ノーベル経済学賞を受賞したヘックマン教授の研究結果によれば、子供の年齢が小さいうちほど収益率が高くなるとのことです。
実は高崎の現在までの発展は、人々の懐の深さ・義理人情のおかげなのではないか、などと考え高崎を懐かしみながら、私と同じく北海道出身のUターン組である猫宮さんにバトンを渡したいと思います。
(札幌市在住)