リレー随想

2024/06/07
No.249 2024年5月号 2013年卒 森尻 修平
「遠回りは、近道でした。」

 森川くんからバトンをいただきました地域政策学部2013年卒の森尻と申します。

 振り返ると、遠回りばかりの人生でした。

 中学・高校とまったく勉強をしてこなかった私は、高校卒業後は、洋服が好きという理由だけでなんとなく東京の服飾専門学校に進学。入学してみると驚いたことに、クラスメイトの半分以上が年上でした。大学を卒業してから入った人だったり、会社を辞めてまで入学した人だったり。みんな、ファッションデザイナーになるという強い気持ちを持って入学していたのです。私は、そんなクラスメイトを見て自分が恥ずかしくなりました。情けなくなりました。
そして、今まで逃げてきた勉強と向き合うために、地元群馬に帰って大学を目指すことにしたのです。

 専門学校中退という多大なる迷惑を親にはかけてしまったので、狙いは地元の公立である高崎経済大学、一本。図書館に通い、中学1年の勉強からやり直しました。すると、あれだけ嫌いだった勉強がとにかく楽しくて楽しくて。好きこそ物の上手なれといいますが、あれ、本当ですね。なんとかその年度に合格することができました。

 晴れて目標の高経に入学した私。サークルなど大学生活自体もすごく楽しかったのですが、思い返すといちばん印象に残っているのは就活です。広告代理店に憧れたものの、高経から広告に進む人は稀。いろんな勉強会やイベントに参加したり、人に会ったり、勉強をしたり、広告業界に潜り込むために私なりに努力をしました。しかし結果は、箸にも棒にも引っ掛からず。唯一、広告業界以外で受けて内定をもらえた地元の銀行に入ることに。
 
 大変なこともありましたが、銀行員生活は思っていた以上に楽しかったです。営業として仕事をとれたときの、喜びの瞬間最大風速はものすごく、今でも思い出せるくらいに。社員寮の近くで、大声でウルフルズの『バンザイ』を歌いながら自転車に乗っているところを上司に見られ、次の日「おまえク◯リやってるだろ?」と詰められたのも、懐かしい思い出です。
 しかし、入行して3年目のある日、また私の悪い癖が出てきます。かつて目指した広告業界に、どうしてもどうしても、チャレンジしたくなったのです。そして、どうせ銀行を辞めてまで目指すなら、ぜったいに憧れのコピーライターとして働いてやる。そう決意しました。
 それから都内のコピーライター講座に通ったり、平日は仕事帰りにファミレスでコピーの勉強をしたり。それがまた、すごく楽しかったんです。高経を目指して毎日図書館にこもった、受験勉強のときのように。

 そして今、就活のときには落ちた広告代理店で、コピーライターとして働いています。きっと、はた目からは私の人生は遠回りに見えるでしょう。ですが、私は元来どーしようもなく飽きっぽい人間です。きっと、まっすぐ大学に入って広告業界に進んでいたら、今の仕事もぜったいに続いていない。専門学校と銀行を経験したからこそ、高経のことも、コピーライターの仕事も、胸を張って大好きだと言えるのだと思います。

 今になって思えば、遠回りは私にとっての近道でした。
(アパレルから広告にいった前走者の森川くんも、近いことを感じている気がします。たぶん)

 次のバトンは、大学の同級生であり、所属していた総合格闘技部の部長である山中翔太くんに回します。これまで人生で出会った中で、いちばん私を笑わせてくれた人間かもしれません。
翔ちゃん、頼んます!
(東京都目黒区在住)
2024/05/01
No.248 2024年4月号 2016年卒 森川 敬太
「人生何があるかわからない・・・」

 前走者の入澤さんからバトンを頂きました2016年経済学部卒の森川敬太と申します。
東京の広告会社で営業職をしております。入澤さんとは同じ会社で、自分は知らなかったのですが、同じ会社かつ大学時代の1学年上の先輩、中西雄太さんから「高経ですか!他にも高経の先輩たちがいるよ!」と突然連絡をいただき、中西さんに紹介をいただいて、入澤さんに出会いました。中西さんから連絡いただいたときは、「同じ会社に高経の方がいるのか・・・」と衝撃を受けたと同時にとても嬉しかったです。
 ちなみに中西さんは大学時代では面識なく、しかも入澤さんも中西さんもまだ直接お会いできていない、、という状況です。近日同じ会社の高経出身の方々にやっと会えるのでとても楽しみにしています。

 私が大学に入った経緯ですが、地元が和歌山県で中高と洋服が好きで、関東の別の大学を志望しておりましたが、センター試験の失敗、でも浪人だけは嫌だと高校の先生と話をしていたときに、高崎経済大学は二次でいけるぞとおっしゃっていただき、東京に近いしいいか、ぐらいのノリで受験をし、進学しました。
 高校生の頃は「関東はどこも都会なんだろう」ぐらいで思っておりましたが、家探しのために新幹線で高崎に向かっている道中、大宮を過ぎたあたりから、あれ?思っていた街並みではないなと正直思ってしまったことは今でも憶えています(笑)
 大学時代は、バイトして服買っての日々で勉強に真摯に向き合っていたとはとても思えない学生生活でした。社会人になって、特に今の会社で勤めていて、「大学時代もう少し勉強と向き合っていたら勉強も楽しかったのかもなぁ」と思うときがあります。

 大学時代はとにかく服のことに没頭し、卒業後は東京のアパレル会社に就職。4年ほど勤めておりましたが、服は趣味でもいいかもな、もっとスケールのでかいことをしたいなと思うようになり、今の会社に転職することになり、気づけば前職よりも長い期間在籍することになりました。現職では周りは超優秀な人だらけ、正直前職時代とは正直比べものにならないほど、毎日が不安なことが多いですが、入澤さんのリレー随想を読んでいて、共感するとともに、安心しました。大学の入学背景から今に至るまで、人生の分岐点においてそこまで深く考えずに思ったままで来てしまっているような感じがありますが、結果的に自分にあった会社に出会えて毎日楽しく過ごしております。「不安で当たり前」を胸にこれからも頑張っていければなと思います。

 東京での生活も9年目を迎え多方面に知り合いが増えてきましたが、東京に来てからずっとお世話になっている、しかも同業勤めの大先輩森尻修平さんにバトンをパスします!
(東京都目黒区在住)

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