リレー随想

2026/02/15
No.270 2026年2月号 2025年卒 佐藤 隼音
「地域に出たから知れたこと」

このたび、山田さんよりバトンを受け取りました、2025年卒の佐藤と申します。素敵な、そして興味深い経験をさせていただき、誠にありがとうございます。

現在、私は新潟県南魚沼市の地域おこし協力隊として活動しております。もともと高校卒業までを東京都で育った私は、大学入学後に、南魚沼市での探究プロジェクトの大学生サポーターという機会に出会い、そのご縁から、地域の方のご紹介いただき、現在の仕事に就く運びとなりました。南魚沼市は現在1メートル50センチもの積雪があり、雪かきなど大変な時期ですが、楽しく暮らしています。

なぜ南魚沼と出会い、そして今何を考えているかを綴りたいと思います。
私は高校時代に、地方創生に関心があり、地域政策学部に入学しました。しかし、1年次はコロナ禍の影響で、思うように地域に飛び出すことができず、満足しない日々を送っていました。そんな時に、知人の紹介で、南魚沼市の地元中高生向け探究学習プログラム「YouKey プロジェクト」という取り組みに出会いました。これは、地元中高生の興味関心を掘り下げ、最後にアクションとして自分のやりたいを実現していく学校外の半年間のプログラムです。私もサポーターとして月に2回ほど南魚沼市に通い、中高生の「やりたい」に伴走する生活が5ヶ月ほど続きました。

私は中高生が自分のやりたいを知り、輝いていく場面をみるなかで、社会教育などの学校外の教育の面白さを知りました。それから、学外の学びと大学での座学の両輪を掛け合わせ、学外では社会教育に関連する施設や取り組みの見学、座学では社会教育士の称号取得に向け、授業を取得したり、社会教育・生涯学習を研究するゼミナールに所属したりしました。

それまで地方創生に関心はありつつも、なかなか学んだことの実感が湧かない日々でしたが、この学外と座学を行き来するようになってから、大学での学びが非常に深いものとなりました。この「地域に出たから知れたこと」というのはまさにこれで、真面目に講義は受けつつも堕落していた生活が、実りある学生生活に変わった瞬間でした。

そして今、私はまさにその「地域」にいます。大学生向けの探究学習のプログラム「YouKey College」という取り組みや、総務省が主催している移住体験のプログラム「ふるさとワーキングホリデー」の受け入れなどをしています。高校卒業したら多くの学生が新潟市や首都圏に行ってしまうこの南魚沼市で、大学生など多くの若者を呼ぶプログラムを運営しており、関係人口の育成に取り組んでいます。

私は、これからもっと多くの若者に「地方」という選択肢を与え続けたいと思っています。
「最初のキャリアは都会で積み上げていきたい」
「都心の方がなんやかんや便利だ」
「田舎は人間関係がドロドロしていて大変」
という声も多く耳にします。その大きな風潮に抗って自分の考えを押し付けるつもりはありません。私も都心は都心の良さと悪さがあり、地方には地方の良さと悪さがあると思います。ただ、都心では希薄になりがちな人間関係の温かさがある、そしてまちを担う1人としての役割が大きいのが地方だと思います。都会よりも、その人がそこにいることの重要性が高い、求められるからこそ自分というものが実現できる、それが地方だと思っています。

この選択肢としての「地方」というのを与え続けるために、若者向けの中長期でのインターンシップや、地方の企業での副業兼業のような取り組みを実施していきたいと考えております。2025年5月に登記し、仲間と一般社団法人を立ち上げました。3年間の地域おこし協力隊を終えたあとは、この法人でやっていけるよう、精進していきたいと思います。
(新潟県南魚沼市在住)
2026/01/20
No.269 2026年1月号 2024年卒 山田 あい
「もう一歩」を考える

このたび、須永さんよりバトンを受け取りました、2024年卒の山田と申します。このたびは、貴重な機会をいただき、とても嬉しく思います。

私は現在、新潟市で公務員として働いており、社会人2年目を迎えました。1年目とは異なり、日々の仕事や物事に対して、自分なりに考える時間が増えてきたと感じています。

私が日々大切にしていることは、与えられたものに満足しないということです。
今ある状況や結果に満足せず、「もう一歩良くするために何ができるか」を考え続けることが、自分自身の成長につながると考えています。現状に満足してしまえば、そこから先は何も生まれません。だからこそ、日常の中で少しずつでもアップグレードしていく姿勢を大切にしています。

現在担当している商店街活性化の仕事においても、この考え方は重要です。商店街は高齢化や後継者不足といった課題を抱えており、過去の成功事例や従来の施策だけにとらわれていては、社会の変化に対応することはできません。現代に合わせた視点で、何が最適なのかを考え、新しい取り組みを取り入れることこそが、商店街を次の段階へとアップグレードするために必要だと感じています。

この姿勢は、大学生活においても同じことがいえます。アルバイトやサークル活動、ゼミナールなどでは、与えられた役割や課題をこなすことはもちろん大切です。しかし、そこで終わらせるのではなく、「どうすればより良くなるか」「自分なりに工夫できることは何か」を考えることで、質は大きく変わります。たとえ小さな工夫であっても、それを積み重ねることで得られる満足感や達成感は確実に高まっていくはずです。

特に卒業論文は、「もう一歩」を考える力を身につける貴重な機会だと思います。より説得力のある文章にするために試行錯誤を重ね、時間をかけて考え抜く経験は、この先の将来に必ず役に立ちます。私自身、卒業論文を完成させた経験が、今の仕事にも生きていると感じています。

最近、仕事においては、商店街支援の一環として、新たに広報用のInstagramを立ち上げました。従来の方法にとらわれず、より多くの人に商店街の魅力を伝えるために、工夫を重ねながら取り組んでいます。

これからも私は、仕事においても私生活においても、後悔のない選択ができるよう、常に自分から新たな視点を取り入れ、「もう一歩」を考えることで、物事をより良いものへとアップグレードしていきたいと考えています。時間も労力もかかることではありますが、その先にこそ、大きな充実感と学びがあると信じています。
(新潟県新潟市在住)

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