リレー随想

2025/03/25
No.259 2025年3月号 2003年卒 井上 健二
「そこがゴールではない」

 みなさん、こんにちは。井上健二と申します。年代は異なりますが、同じ勤め先であり、東京三扇会の活動も共にしている、穐本知哉さんからのバトンを受けて投稿いたします。

 先日、これまで何度か参加をさせていただいている「OBOGによる模擬面接会」へ、面接官として今年も参加をして参りました。
 高崎経済大学で開催される面接会へ向かうため、当日は新幹線に乗るはずでした。しかし、2月初旬の北陸地方での大雪の影響により、新幹線のダイヤは大幅に遅延していました。それだけではなく、東京駅のホームや改札口は、長野や新潟へスキーやスノーボード、温泉地などに向かうと思われる観光客で大混雑でした。そのため、予定を変更し、高崎線直通の上野東京ラインに乗りました。
 高崎線で向かうのは、学生の頃に就職活動を行っていたころ以来、20年以上も前になります。電車に揺られながら、事前に配布された実践さながらのエントリーシートを読み、参加する学生が志望されている業界や企業について情報収集すると共に、参加する予定の学生に想像を膨らせました。
 
 なんとか開始前ギリギリ間に合い、計4名の学生に対する面接官を担当しました。定型の「学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)」や、業界・企業の志望理由、困難な課題にチャレンジしたエピソードなど、学生のアピールに対して、私も深掘りの質問を重ねていきます。模擬面接が終了すると、面接官より学生へのフィードバックの時間となります。

 参加される学生の多くが、素直で真面目なところは例年受ける印象と変わりありませんが、年々、面接に向き合う姿勢や質問に対する受け答えの仕方に対策の跡が感じられるようになりました。面接を通じて、気付いたこと、改善した方が良い点などを社会人の視点から細かくアドバイスをしました。
「企業が求める人材とは?」「自分が働いている姿を想像できている?」・・・アドバイスを前向きに捉えてメモを取り、次に繋げようとする姿勢もあれば、思うように受け答えができなかったことに対して、落胆する表情も見受けられました。面接官である私と学生の世代の差は年々広がっていくばかりで、きちんと伝わっているかどうか一抹の不安がよぎります。

 面接会のすべてが終了し、帰りの新幹線に乗りながら一方的に会話を推し進めてしまった自分を反省しました。過去を振り返ってみても、氷河期末期の就職活動に対してほぼ無策で臨んでいた私。来年こそは、学生に細かいことは言わず、「受け身にならず、自信をもって相手に伝えてみよう。」とだけ言おう。と毎年思っています。そこがゴールではないのだから。

 都内もようやく春めいて来たどころか、初夏をも感じさせる陽気となってきました。みなさんにとって出会いと別れのシーズンでもあるところで、私も次の方へバトンを繋ぎたいと思います。
(東京都在住)
2025/02/25
No.258 2025年2月号 2020年卒 穐本 知哉
「卒業後も広がる高経同窓生の輪」

 同窓会のご縁でバトンを受け取りました、経済学部2020年卒の穐本知哉と申します。

 高校の担任の先生の勧めで高崎経済大学を受験して、2016年4月に入学いたしました。埼玉県出身ですので旅行で群馬県を訪れることは度々ございましたが、いざ進学・初の一人暮らしとなると毎日が慌ただしく過ぎてまいりました。そんな慌ただしい日々も良き仲間に囲まれ、時に励まし合い、アパートのご近所さんにも支えられ、日々の出来事が新鮮で退屈な気持ちを全く感じない毎日を過ごすことができました。
 また、在学中は海外研修の支援プログラムを活用させていただき、米国・ウェスタンミシガン大学へ語学研修、中国・大連へインターンシップに行くことができ、派手ではないですが、非常に濃い学生生活を過ごすことができました。

 まもなく大学卒業から5年の月日が過ぎようとしております。
 私が卒業した2020年3月は新型コロナウイルスが日本で数名の感染が見つかり始めた頃でした。他大学が卒業式を中止する中で、大学事務局のご尽力で卒業式は開催され、仲間たちと最後の大学の思い出を作ることができましたが、直後に緊急事態宣言が発出されるなど社会全体が特に混乱している最中でした。

 東京で就職して本日まで勤め続けておりますが、まだコロナ感染の波が度々押し寄せる2021年頃、偶然大学ホームページで開催のお知らせを目にした東京三扇会(同窓会の東京支部)のオンライン総会に出席いたしました。
 以後同じ母校を持つさまざまな世代の方々と関わることができればと思い、度々東京三扇会の活動に参加させていただき、総会運営や学生向けイベントの企画・運営などに関わらせていただいております。

 就職活動におけるOBOG訪問などのリサーチ不足が今更ながら露呈してしまうのですが、東京三扇会での活動を通して同じ会社に務める高崎経済大学の先輩方にもお会いすることができました。そして想像以上に同じ会社に高崎経済大学卒の社員が多いことに驚きました。
 また他業界にも勤められている大先輩にもお会いすることができ、特に同じ埼玉ご在住の大先輩の方々とは赤羽や板橋などで度々お酒の席をご一緒させていただいております。

 大学卒業以降も、こうして高崎経済大学の同窓生の方々との交友関係の輪が広められていることは嬉しく感じております。今後も同窓会や高崎経済大学へ貢献できることがあれば微力ながら携わっていければと思っております。
(埼玉県所沢市在住)

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