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【社会人の苦悩】

2005年卒 佐々木一世
 
 高井謹一君からバトンを受け取りました、佐々木一世と申します。高井君の紹介にありましたように、私は第32期文化サークル協議会で議長を務めさせて頂いておりました。昨年12月の吉田君、今年1月の竹淵君、そして先月の高井君は共に学生団体を運営した同期です。
 本文に入る前に、前走者の高井君との関係を紹介したいと思います。高井君との最初の出会いは入学式前に生協学生委員会さんが開催したオリエンテーションです。そこで、たまたまグループが一緒で尚且つ席が隣だったことから腐れ縁がスタートしました。その場で彼に出会わなかったら、三扇祭実行委員会で共に仕事をすることもなく、文化サークル協議会で議長を務めることもなかったでしょう。人生のターニングポイントはわからないものだと実感すると共に、良い出会いがあったものだと感謝しています。
 さて、随想と言うことですので、社会人生活から感じた事について筆を執りたいと思います。現在、私は地元茨城の地方銀行にて融資業務を担当しております。融資と言っても漠然とし過ぎていますので具体的に言いますと、住宅ローンなどの個人向け貸出から小口の法人向け貸出などです。融資を通じてお客様の人生が垣間見える為、時に重圧を感じることもありますが、とてもやりがいのある仕事であり、日々現場で切磋琢磨しております。
 就職してまず悩んだのは、物事に矛盾する要素(会社の利益、お客様の利益、自分の信念など)がある場合、妥協点をどこに決めれば良いのかという点です。互いに反する要素が3つ以上ある場合は特に悩まされます。これを自分一人の判断で解決できれば良いのですが、組織ですので当然自分の意見が完全に通るとは限りません。時には、不服でも指示に従わねばならない場面もあります。学生の時はがむしゃらに突っ張る事もしておりましたが、社会人であると常に様々な制約が付きまといますし、こういうものだから仕方がないと諦めたくもないので、悩みの種が尽きることはありません。困ったものです。
 一見簡単そうな事が実は一番奥が深く、そして厄介である事例であると言えます。矛盾する要素同士の落とし所を見つける事が如何に困難であるかを実感した1年でした。
2年目以降の課題としては、実務をこなす為のスキル習得は勿論のこと、社会人としてのバランス感覚を養って生きたいと考えております。一日も早く一人前となって、高経大卒の名に恥じぬ社会人となれるよう努力してゆく所存です。
 さて、次回の走者ですが、私のゼミの同期にバトンを繋ぎたいと思います。2年間ゼミ活動で苦楽を共にした仲間の一人、吉澤智君です。