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【フィンランドとヘルシンキの印象・思い出】
1987年卒業の佐藤 謙
【御礼】
87年卒業の佐藤 謙です。学生時代は、交際範囲の広いほうではなかったのですが、
神通川さんからご指名いただき、「三扇の輪」に参加することができました。御礼申し上げます。
【本文】
年に何度か、仕事で外国に出かけることがあります。数週間程度の滞在ですが、これまで、スイス・ドイツ・スエーデン・デンマーク・アメリカ・シンガポール他、いくつかの国を訪れました。その中で、最も印象に深いのは、北欧の小国フィンランドです。観光案内などで「スカンジナビア」というと、スーエデン・デンマーク・ノルウェーを指すことが多いようですし、知人に聞いてみても、あまりなじみの深いところではなさそうです。そこで、ちょっとだけ、フィンランドと首都ヘルシンキについての私的印象を紹介してみたいと思います。間違いや思いこみも多分に含まれるでしょうから、正確な情報や詳しいことは本やWebでどうぞ。
【その1 静寂】
初めてヘルシンキ空港に降りた時、その静かなことに驚きました。皆が無言で歩いていたので、そういう法律か習慣があるのか、と妙な誤解をしてしまった程です。他国の首都では必ず見られる、週末の夜の大騒ぎも経験したことがありません。
【その2 夜と朝】
夏の夜、すっかり良い気分でバーを出たら、まだ明るい。真っ赤な顔は、恥ずかしさでさらに赤くなった。
冬の朝、9時過ぎにホテルを出たら、深夜と違わぬ暗さ。その夕刻、3時に会議室から屋外に出たら、すでに深夜と違わぬ暗さ。自殺者の数が増えるのはこの時期とのこと。
【その3 フィンランド語】
他のスカンジナビアの国の言葉は、どれも似通っているのだけれど、フィンランド語だけは全く別です。ハンガリー語が発祥で、日本語と親戚、との説も聞いたことがあります。本当に、ただの一言も理解できず、異星人の言葉のようです。
【その4 マルチリンガル】
百貨店の店員さんが胸に小さな国旗のバッジをつけています。「これは何故?」と尋ねてみたら「自分が何語を話せるか、を国旗で示している」とのこと。成人のほとんどが、少なくとも、フィンランド語(公用語)、スエーデン語(第2公用語)、英語の3ヶ国語を話すそうです。
知人に、8カ国語くらいを流暢に使う「達人」がいます。フィンランド人ですが、中国系ブラジル人の奥さんと3人の子供と共に、北京に住んでいます。家族の会話は、フィンランド語・中国語・スペイン語・ポルトガル語・英語が入り乱れるとのこと。家に電話をしたら、チャンポンで喧嘩してる子供達に「こらっ、ええかげんにせえよ」って。
【その5 料理】
とてもおいし、、、くはない。
【その6 ・・・・ネン】
最後に「ネン」のつく苗字が多いようです。「ナンヤネン」、「キンガシンネン」、「パーデンネン」などがあったような、なかったような。。。ちなみに、ムーミンに出てくるスナフキンの地元名(=本名)はムースカヌイックネンです。
【終わり】
10年ほど前に、フィンランドの取引先のかたから聞いたお話。曰く、
「世界には国際的になれない国が3つある。国内の市場が大きいので、他国の意見を聞いたり、文化を取り入れたりする必要がないのだ。自国の中だけで充分に食べていける。逆に、私達は経済の多くの部分を他国に頼っているので、異質のものを取りこんで国際的にならなければ生き残ることができない。」
近頃、LinuxやNokiaなど、世界を席巻するMade
in Finlandを聞くようになりました。国の競争力でもトップクラスの評価を受けていたと記憶しています。彼女が言った「3つの国」の1つは、異文化の国に経済力と武力で攻め込み、世界を自国化しようとしているかのようです。1つは、昔から欧州最大の工業国・技術立国ですが、高い失業率に苦しんでいるとのこと。EUになってからは、隣国の農産物が容易に手に入るようになって農家もたいへん、とも聞きました。そして、もう1つの極東の国で、私は女房・娘3人と幸せに暮らしています。
おしまい。
次ランナーは同じ87年卒の 福田利彦さん(群馬県在住) を指名します。